診療科・部門

整形外科

骨そしょう症外来

2023年10月より、(水)午前に整形外科で「骨そしょう症外来」を開始致しました。骨粗鬆症という漢字は難しいですから、患者さんに分かりやすいようにひらがなを使っています。西宮、阪神地域の「骨をまもる」を目標に掲げ、地域の皆様のお役に立ちたいと切に願っております。ぜひ県立西宮病院の「骨そしょう症外来」を受診して下さい、宜しくお願い致します。

担当医紹介

新倉隆宏(にいくら たかひろ)

整形外科 部長・診療科長
日本骨粗鬆症学会認定医

骨そしょう症とは?

「骨の強度が落ちて弱くなり、骨折しやすくなる病気」です。高齢者、特に女性に多い病気です。

「超高齢社会」である日本においては、少し前のデータになりますが推計1,280万人の患者さんがいると言われています。認知度の高い病気である糖尿病よりも患者数は多いと言われています。日本では今後さらなる高齢者人口の増加とともに、骨そしょう症の患者さんは増加し続けると見込まれています。

しかし問題は、

  • 自分がすでに骨そしょう症になっていることを知らない人が多い
  • 骨そしょう症の治療を受けるべきなのに受けていない人が多い

ということです。

心臓の病気のようにすぐに命に係わるわけではないとどうしても思われてしまいますが、実は、骨そしょう症で骨折してしまうと寿命が短くなるというデータもあります。さらに、骨折してしまうと、自分の力で自由に動ける「健康寿命」が短くなってしまいます。ぜひ、骨の大事さを認識して下さい。

骨そしょう症外来で行う検査

  • 骨密度検査(DXA法という、骨密度を詳しく調べる検査を行います)
  • 血液検査(骨の状態、骨に関連する体の機能を血液検査で評価します)
  • レントゲン検査(特に脊椎(せぼね)の「いつのまにか骨折」が無いか、調べます)*いつのまにか骨折:あまり痛くなくて、患者さんは気づかなくても、骨が弱くなって脊椎が知らぬ間に骨折していることがあり、これを「いつのまにか骨折」と呼びます。
  • その他、個々の患者さんに必要な検査

骨そしょう症外来で行う治療

生活習慣(食事や運動など)も大事なのでその指導もさせて頂きますが、メインはお薬による治療になります。昔は骨そしょう症の薬と言うと数えるほどしか無かったのですが、今では多種多様な、数多くの薬があります。その患者さんに最も適した薬を最新の医学知識から判断し、投与します。注射のお薬、飲み薬があります。骨折を未然に防ぐための最善の治療を行います。

骨折してしまった患者さんへのケア

骨折しないことが一番ですが、残念ながら今の医学では最善を尽くしても、骨折危険性を減らすことはできますが、完全にゼロにはできません。つまり、特に高齢者ではどうしても骨折してしまうことがあります。代表的な骨折は大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)、脊椎圧迫骨折(せぼねの骨折)、橈骨遠位端骨折(手首の骨折)、骨盤骨折などです。県立西宮病院では、こういった骨折の手術治療が得意で、専門的に取り組んでいます。ですので、万が一骨折してしまった時でもご安心ください。

高齢者の骨折に対する低侵襲手術(体への負担が少ない手術)の一例

脊椎圧迫骨折で痛みが強く困っておられる患者さんへの経皮的椎体形成術

背中に2か所、5mm程度の切開をし、専用の針を脊椎に挿入することで手術できます。
手術室内にレントゲンで骨を見ることができる装置があり、これを使えば、皮膚を大きく切開することなく手術が行えます。
(手術前)骨折して圧縮され、せぼねの高さが減ってしまっています
(手術後)せぼねの高さが戻っているのとともに、骨専用のセメントを中に入れることで骨も強くなっています。

骨そしょう症外来を受診いただくには

  • かかりつけの先生、あるいは地域でご開業の先生に紹介状を書いてもらって下さい。整形外科の先生でなくても結構です。
  • 兵庫県立西宮病院整形外科「骨そしょう症外来」新倉隆宏あてに紹介状を書いてもらって下さい。
  • かかりつけ医療機関から当院の地域医療連携センターへ、FAX(0798-34-4436)にてご予約下さい。
  • 骨そしょう症外来は(水)午前の予約制としております。
  • どうしても(水)は受診できないという患者さんであれば、(月)(木)の新倉外来でも承ります。