- 泌尿器科
- 泌尿器科一般疾患
おしっこや下腹部、性器の異常又は下記のような症状にお悩みの方は、泌尿器科にお越しください。
○ おしっこの勢いが弱い、回数が多い、もれる
○ 夜中にトイレに何回も起きる
○ おしっこする時に痛む、残尿感がある
○ おしっこに血が混じる、濁っている
○ おしっこの量が少ない
○ 咳をしたり、重いものを持つと、思わず、おしっこがもれる
○ 腰や下腹部が痛い
○ 睾丸がはれている、痛む
○ ペニスが変、皮をかぶっている
○ 子供が出来ない
泌尿器科の特色
当院泌尿器科は昭和47年4月1日に開設され、兵庫県の基幹病院として腎移植を特色とし(腎移植センターの項を参照)、泌尿器科全般にわたる診療を行ってきました。
【 主な対象となる臓器 】
尿路系臓器(腎、尿管、膀胱、尿道)
男性生殖器(前立腺、陰嚢内容、陰茎)
副腎を含む後腹膜や骨盤腔内臓器
尿路結石の原因となる上皮小体(頚部)
腎移植に関しては腎移植センターの項をご覧ください。
小児先天性疾患から悪性腫瘍に至るまで泌尿器科一般の診療を行っています。
手術件数は年間700例を超え(結石破砕術を含む)、あらゆる症例に対応しています。
腎、尿管、膀胱、前立腺、精巣等の泌尿器がんに対しては早期発見、早期治療を心がけています。
これら悪性腫瘍の治療では患者さんのQOLを重視し、手術療法のみならず、抗がん剤、ホルモン剤などの薬物療法や放射線療法などによる集学的治療を行っています。特に腹腔鏡手術には積極的に取り組んでおり、手術創が小さく従来の開腹手術より疼痛が少ないため歩行・摂食開始までの期間、入院期間が短くなっています。近年がんの手術だけでなく多くの手術に低侵襲の腹腔鏡手術を導入しています。また2015年12月からは前立腺がんに対するロボット手術を導入しました。
【 腹腔鏡手術の年度別推移 】
◆ 腎がん
手術症例は年間20-25例。そのうち90%以上は低侵襲の腹腔鏡手術を行っています。小さな腫瘍に対してはロボット補助(ダヴィンチ)腹腔鏡下部分切除を行い、腎機能温存を考慮します。手術以外に分子標的治療薬や、免疫チェックポイント阻害薬を使用し、良好な成績を得ています。
◆ 腎盂・尿管がん
手術症例は年間約15-20例。
腎がん同様、最近ではほとんど腹腔鏡手術が主流になっています。
◆ 膀胱がん
可能な限り内視鏡手術を行い、膀胱温存を目指しています(年間約100-150例)。
浸潤性の進行がんに対しては膀胱全摘(年間約5例)、抗がん剤、放射線療法を行っています。膀胱全摘はほぼ全例で腹腔鏡手術を導入しています。
合併症の少ないGC療法(ジェムザール、シスプラチン)や、これらに抵抗性の場合にはジェムザール、タキソール併用療法を行い、良好な結果を得ています。また、新しい薬剤として免疫チェック阻害薬も使用できる様になりました。
◆ 前立腺がん
前立腺特異抗原(PSA)の普及により、症例数は非常に増加しています。
年間約150~200件の前立腺生検を行っています。生検は腰椎麻酔で会陰部から穿刺するため無痛で感染症はほとんどありません。
手術症例(前立腺全摘除術)には2013年から腹腔鏡手術、2015年12月からダヴィンチを用いたロボット手術を導入し、現在はほぼすべての症例でロボット手術を行い症例数は150例を超えました。ロボット手術では高画質な3Dハイビジョンシステムの手術画像と人間の手の動きを正確に再現できるため、術者はより鮮明な視野、精密な操作性を利用して手術を行う事ができます。このため、がんの精密な切除、出血の抑制、入院期間の短縮などの利点があります。
その他にホルモン治療、放射線治療など、患者さんに応じた治療を選択しています。またホルモン治療に抵抗性になった去勢抵抗性前立腺がん症例に対しては新しく開発されたアンドロゲン受容体拮抗薬や抗がん剤治療を行い良好な結果を得ています。
尿路結石治療に関しては体外衝撃波による結石破砕術(ESWL)を施行しており、ほとんどの尿路結石が開腹手術を行わずに治療可能です。年間症例数は約100症例で、良好な治療成績を得ています。ESWLでの治療が困難な症例に対しては内視鏡による結石破砕術を行っています。またその原因の一つである上皮小体機能亢進症に対しては上皮小体の手術も積極的に行っています。
薬物治療困難な前立腺肥大症に対しては原則として内視鏡手術を行い(年間約50例)、患者さんのQOL(Quality of life、生活の質)向上に応えています。最近では合併症の少ないTURisシステムを導入し安全な手術を行っています。