

子供たちの歓声が青空に突き抜ける運動会は、誰の心にも和みをもたらしてくれる秋の風物詩です。近年は様々な理由で行われなくなりましたが、校庭で家族が車座になって開いたお弁当は、どなたにも忘れられない思い出でしょう。運動会の最後を飾るリレー走は、リオ・オリンピックの男子400mリレーで日本チームが銀メダルをとった時と負けず劣らず、心躍るものがあったように思います。
先日、当院主催の県民公開講座が開かれましたが、テーマは「女性のがん」でした。その中で講演された内容の一つをご紹介しますと、「近年、子宮頚がんに罹患する年齢が若年化しており、その年齢のピークが40-44歳である」とのことでした。この年代の女性は子育てや仕事で大変多忙な日々を送っておられると思いますが、本人にはむろんのこと、家族のためにもがん検診を受けていただいて、早期発見、早期治療することが言うまでもなく大切なわけです。実際に治療法は格段に進歩していますし、生存率も着実に向上しています。ところが西宮市の子宮頚がん検診の受診率は、残念ながら、本当に残念ながら、兵庫県の中でもっとも低いグループに属しています。講師を務められた医師が講演で強調されていたように、私ども医療関係者はますます声を大にして、がん検診を勧奨していかなければいけないと痛感しています。
成人のがんにおいては、最近では高齢化とがんが結びつけられがちですが、仕事や子育てで時間的なゆとりのない青壮年に対して、がん検診、症状があれば医療機関を早く受診するように社会的な関心をさらに喚起していかなければならないと、改めて思い知らされました。清みわたった青空にとどく子供たちの歓声に、決してくぐもりがあってはならないのです。
四季雑感【過去のページ】
- ●2016.8.9 真夏に咲く花といえば、早朝のやわらかな光に映える深紅の花をつけた百日紅を想い起します。
- ●2016.5.1 新緑が目にしみます。緑の濃淡、彩度の微妙な違い、それらの配合の妙など見飽きることがありません。
- ●2016.2.15 「それは寒さが身に応えますよ。」当院でおもに屋外で仕事をしていただいている方に、「寒さと暑さとでは、どちらが辛いですか?」とお聞きした時、このような答えが返ってきました。
- ●2016.1.15 秋の夕暮れのひんやりとした冷気は、どこか澄んでいて、一日の活動が終わりを告げようとする時刻にふさわしく感じられます。
- ●2015.6.22 夏のトワイライトは、木洩れ日が揺れる林間であれ、ビルの谷間であれ、さわやかな高揚感を与えてくれるときがあります。
- ●2015.5.18 オゾン層の破壊が指摘されて以来、大型連休を迎える頃には、誰もが紫外線を強烈に意識するようになります。
- ●2015.1.26 大寒も過ぎ、寒さが身に染みる季節になっています。つい出不精になって家に閉じこもりがちの方も多いかもしれません。
- ●2014.11.5 いよいよ食欲の秋になりました。若い頃のように手当たり次第に秋の味覚を満喫するということはなくなりましたが、
- ●2014.8.7 焼けつくようなアスファルトの道を歩くときに感じた、あの湧き上がるような生命感はどこへ消えたのかと思うときがあります。
- ●2014.5.12 梅雨に煙る新緑には、心が洗われるような格別の趣があります。
- ●2014.2.7 新しい年が明けて、大変に寒くなっていますが、気分的には世の中が少し明るくなっているように感じられます。
- ●2013.11.8 気候温暖化の影響で四季がはっきりしなくなっているといわれています。
- ●2013.6.29 紫陽花(あじさい)の花が咲いています。三十年近く前のことですが、
- ●2013.4.19 過日、晴天に誘われて、桜が満開となり多くの花見客で賑わう夙川周辺を散策しました。
- ●2012.12.25 街のイルミネーションが寒気の中でひときわ華やいで見えます。
- ●2012.7.24 蝉時雨のなか、病院の近くにある海清寺の横を通る機会があった。
- ●2012.5.7 新緑の季節になりました。風にそよぐ若葉が眩しく感じられます。